近年、インターネットを介したネット通販市場と同じように、インターネット広告は右肩上がりの成長を続けています。電通報によると、2019年の総広告費は、69,381億円に昇ります。広告主にはインターネット広告を運用するにあたり、さまざまな広告の種類や用語を理解しておく必要があります。今回はCPC・CPAの基本とCPCの相場についてみていきましょう。
CPCとは?
Cost Per Click (以下, CPC)とは、クリック単価と呼ばれる費用指標です。インターネット広告には、WEBページの閲覧者(見込み客)が広告にアクセスし、成約するまでの効果が求められます。CPCは、「CPC=広告掲載料÷クリック数」で数値化され、1クリックあたりの広告料が少ないほど、すなわちCPCを下げるほど、費用効果の高い広告と言えます。
このようにインターネット広告を掲載した際は、閲覧者(見込み客)の動向を分析し、顧客獲得に繋げる運用が求められます。また契約状態によって特定のルールによって決められたコストをCPCとして扱う場合もあります。広告主が広告媒体で20,000円を支払い掲載した広告があるとします。これが100回クリックされるまで広告を掲載するというような契約の場合、CPC=20,000 ÷ 100 = 200円/ 回となります。
CPCとCPAの違い
CPC(クリック単価)は、広告に対して閲覧者(見込み客)が訪れた回数を元に数値化されていますが、広告を掲載する側としては、お店には来てくれたとしても顧客獲得に至っていなければ、意味がないと感じることでしょう。そこで重要となるのがCPAと呼ばれる指標です。Cost Per Acquisition (以下, CPA)とは、顧客獲得単価と呼ばれ「CPA=広告費用÷獲得顧客数(またはコンバージョン(CV))」で数値化されます。つまり顧客1人を獲得するためのコストを示しており、CPAの値が低いほど、顧客獲得率の高い広告運用が出来ているということになります。
CPCの相場
それではCPCの相場はどうなっているしょうか?ここではインターネット閲覧時に画面の端やサイトの広告枠に掲載されているバナー広告を例に相場をみていきます。
バナー広告にはいくつか種類があり、クリック型、インプレッション型、成果報酬型、月額保証型に分けられます。
クリック課金型
これは、メディアサイトの広告枠に掲載されるようなバナー広告で、クリックされた回数によって費用が発生します。もちろんクリックされなければ費用は発生しません。クリック単価は50~200円と言われ、想定される予算は30万円/月とされます。相場計算方式は「彫金相場=クリック数×1~500円」とれされ、競合の強さによって単価が変動します。実際は予算を設定した上で、CPC(クリック単価)を下げるよう運用する必要があります。
インプレッション型
インプレッション型は、主にSNSで運用されるバナー広告となります。バナー広告がユーザーの目に触れたときに料金が発生します。費用相場としては、1インプレッションで0.5~100円ほどになります。メリットとしては、もともとクリック率の高い広告であれば、クリック課金方式よりも広告費を抑えることが可能です。
成果報酬型
成果報酬型とはバナー広告をクリックし、実際に顧客獲得した際に料金が発生するものです。
費用相場としては、成約した価格の20%~40%と非常に高く設定されています。顧客獲得が条件となっているため、広告の効果分析が容易です。ただし、報酬が発生する際の成果のルールが業種やサービス内容によって異なるので、その効果が価格に対して適正かは広告主が判断する必要があります。
月額保証型
月額保証型は、固定された月額料金を支払うタイプです。CPC(クリック単価)やCPA(顧客獲得単価)によらず、表示回数×固定表示単価で料金が決められることが一般的となっています。例えばYahooのトップページであれば、月6000万円以上と設定されています。このため、適切な運用が求められ、運用方法によっては効果が得られずに高額な広告料を支払うこととなります。
まとめ
今回は、CPC、CPAの基本的な考え方、クリック単価の相場に加え、成果報酬型や月額保証型の相場について紹介しました。インターネット広告は、オフライン広告に比べ、実際の見込み客の動向を分析し、物販やサービスを提供したい広告主にとっては顧客獲得に繋げるための重要な情報を有しています。またインターネット広告には、不正広告にみられるような無効なクリック数やインプレッション数によって成果を装うアドフラウドが存在します。そのようなリスクを回避するためには、インターネット広告を運用する側のスキルやノウハウが求められています。ネット通販市場は、今後も拡大を続けると予想され、それに伴いインターネト広告の重要度も年々増加しています。この機会に自社のインターネット広告が適切に運用されているか検討してはいかがでしょうか。