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アトリビューションとはどのような分析方法?行う目的も知ろう!

「アトリビューション」という分析方法を聞いたことがありますか?マーケティングにおける重要な分析方法となっており、一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。しかしその反面、具体的に何を分析するものなのか分からないという方も多いかと思います。そこで今回は、アトリビューション分析とは一体どのような分析方法なのか、その概要と具体的な手順、そもそもの目的について解説していきます。本記事を参考に、アトリビューションに関する正しい知識を身に付けましょう。

アトリビューションとはどのような分析方法?

アトリビューションとは、別名「間接効果」とも呼ばれているものです。ユーザーが最終的にコンバージョンするまでに、間接的に影響を与えた「流入チャンネルごとの貢献度合い」を数値化するために活用される分析方法です。基本的に消費者が商品を購入するまでのステップは「注意」(Attention)、「関心」(Interest)、「検索」(Search)、「行動」(Action)、「共有」(Share)の5つの段階を踏んでおり、この考え方をAISASモデルと呼びます。これらは高単価な商品であればあるほど長期化するものであり、消費者が実際に購入するまでには、約900回以上もデジタルコンテンツ(公式サイト、比較サイト、広告)を経由すると言われています。

インターネットが普及したことにより、簡単に欲しい情報が手に入る現代、ユーザーが商品を購入すると決めるまでの過程はさらに複雑化しています。1つの広告だけでなく、複数の広告が購入意思に作用しているのです。これらに作用している広告が、ユーザーの購入意思にどれほどの影響を与えているのかを、「終点モデル」(ラストクリック評価)、「起点モデル」(ファーストクリック)、「線形モデル」の3つに当てはめて数値化するものをアトリビューション分析と呼びます。

アトリビューション分析を行う具体的な方法を解説!

ここからは、アトリビューション分析を行う具体的な方法について解説します。基本的には、「分析ツールを準備する」、「分析したいデータを集める」、「複数のモデルと比較してみる」の順でフローを進めていきます。それでは1つずつ解説していきましょう。

分析ツールを準備する

まずは、分析するために活用するツールを準備します。たとえば、Googleアナリティクスやアドエビスといった計測ツールがおすすめです。特にGoogleアナリティクスは、Googleアカウントさえ作成していれば無料で活用可能です。始めてアトリビューション分析を行う方でも、気軽に活用できるでしょう。

分析したいデータを集める

アトリビューション分析を始めるには、分析したいデータを集める必要があります。Googleアナリティクスを活用してデータを集めるためにも、パラメータを付与して流入元を判別していきましょう。追加できるパラメータの種類は、Googleアナリティクスのヘルプページで確認可能です。

複数のモデルと比較してみる

アトリビューション分析をする際は、1つのモデルだけで見るのではなく、複数のモデルと比較してコンバージョン数の変化を観察するのが大切です。たとえば、終点モデルのコンバージョン数と比べて、起点モデルや線形モデルのほうがコンバージョン数も大きく増加している場合、認知の促進や喚起に貢献していることが可能性として考えられます。起点や線形モデルの評価が高いチャンネルは広告を今より増やしてみて、コンバージョン数がさらにどう変化するのかを見定めましょう。このように少しずつチューニングしながら、コンバージョン数を最大化していきます。

アトリビューション分析を行う目的

最後に、アトリビューション分析を行う目的について解説していきます。アトリビューション分析の目的は大きく「プロモーション全体の最適化を図る」、「広告アロケーションの最適化を図る」の2つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

プロモーション全体の最適化を図る

広告効果を数値化する際、一般的にはコンバージョンを軸として行います。しかし、これでは「最終的にどの広告がコンバージョンに繋がったのか」しか分かりません。「ユーザーがどのように商品を知ったのか」「どこで購入意欲が高まったのか」といった部分までは分からないため、場合によっては実は効果のあった広告を配信停止してしまうといった可能性があります。その点アトリビューション分析なら、最終的なコンバージョンに寄与している広告をすべて発見できるため、プロモーション全体をより最適化できるでしょう。

広告アロケーションの最適化を図る

アトリビューション分析は、ユーザーの認知・興味喚起に貢献している広告に対して、どれぐらい費用をかければ良いのかという広告アロケーションの最適化といった面も持っています。コンバージョン数を最大化するには、商品を購入してもらいたいユーザーの認知度を高める広告が必須です。そこでアトリビューション分析を用いることにより、「この広告にどのくらいの費用をかければ良いのか」をデータ化してくれるでしょう。

まとめ

今回はアトリビューション分析について詳しくお伝えしました。アトリビューション分析は、ラストクリックだけを見る視点にこだわらないことで、貢献している広告をより正しく判断できる優れた分析方法です。ユーザーが商品を購入するのに時間がかかるサイトを運営している方には、ぜひ試していただきたい方法といえるでしょう。