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マーケティングの常識!ペルソナの作成方法と活用方法とは?

「ペルソナ」という言葉を一度は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。ペルソナを活用することで、より効果的なマーケティングを行うことが可能です。今やマーケティングの常識になりつつあるペルソナについて、活用することでどんなメリットがあるのか、またその作成方法などについて詳しくご紹介していきます。

そもそもペルソナとは?

ペルソナ(Persona)とは、もとは古典劇で使われる仮面のことを指す言葉です。スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングは、このペルソナという言葉を用いて「人間の外的側面」という概念を定義しました。私たちが社会生活で各々の役割を演じていることを、「仮面」を着けていると表現したのです。

マーケティングにおける「ペルソナ」とは、この「仮面」から発展して「サービスや製品の架空の顧客像」という意味を表します。ペルソナは名前や年齢、性別などの基本的な事柄から、居住地、職業、趣味嗜好、メディアとの接し方、ライフスタイルなどの詳細な人物像を設定します。このペルソナを元にサービスや製品の戦略を練ることを、「ペルソナマーケティング」と呼びます。ペルソナを設定することでターゲットが明確になり、より訴求力の高いサービスや製品を作り上げることができるのです。

また、プロジェクトに携わっている人と明確な共通認識を持てるため、方向性が定まり効果的なマーケティングを行うことができます。

ペルソナの作成方法を紹介!

ペルソナを作成するにあたり、まず必要なのは情報を集めることです。既存の顧客データやアンケート、インタビューなどを元に、さまざまな角度からペルソナ作成のための情報を収集していきます。ウェブ上のアクセス解析や統計なども、データとしてとても有効なものであると言えるでしょう。

ここで必要なのは「なぜ顧客がそのような行動に至ったのか」という「動機」に注目する視点です。同時に自社サービスや自社製品のアピールポイントをきちんと把握しておくことも大切です。情報が集まったら、まずはペルソナのアウトラインから設定していきます。名前や年齢などから始まり、職業や居住地などなるべく細かい項目まで、データから見えてきた人物像の共通項を書き出していきましょう。ある程度のアウトラインが完成したら、次はディテールを設定し、よりリアリティのある人物像を作り上げていきます。ペルソナがどのような人物で、何に興味関心を抱き、どんなニーズがあるのかなど、その「動機」に注目しながら作成していきましょう。ペルソナが現実的に存在していると感じられるかどうかが大切です。人物像を現実の顧客により近づけていくためには、先入観をできるだけ排除し、否定的な意見なども盛り込むことも必要になります。

なお、先入観をなくすため、ペルソナ作成には複数人で関わるのが良いでしょう。人物写真や図などを用いたり、ストーリー仕立てにすると具体性が増し、他の人と認識を共有しやすくなります。またペルソナは必ず1人にしなければならない訳ではありません。データをもとにいくつかの傾向に分類できる場合は、複数人のペルソナを作成し、パターンごとに計画を立てるのもよいでしょう。

しかし、ペルソナを作りすぎてしまうと顧客像が定まらなくなってしまうため、優先順位をつけることも大切です。また実際の顧客のニーズや、顧客を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。そのためペルソナは作成して終わり、ではなく「今」の顧客像が反映されているかどうかを定期的に見直していきましょう。

ペルソナの活用方法

ペルソナが作成できたら、チーム内で必ず共有しましょう。共有することでお互いの認識のズレを少なくすることができますし、プロジェクトの進行もスムーズになります。例えばウェブサイトであれば、ペルソナによってサイトの雰囲気やフォント、色合い、ページ数などその好みはさまざまです。そのペルソナが「利用したいと思うかどうか」という視点を持ち、ペルソナに感情移入しながらサイトの作成をしていけば、自然と届けたいと思っている顧客に響くものに仕上がるはずです。

また、どのような媒体を使って顧客にアプローチを行うのかも、ペルソナを軸にすると決定しやすくなるでしょう。10代・20代のペルソナと40代・50代のペルソナでは、SNS一つをとってもTwitterやFacebookなど利用しているものや頻度は異なります。ペルソナが学生であれば、長期休暇や就職活動など、マーケティングを行う「時期」も大事な要素の一つになるでしょう。さまざまな決定をする際にもペルソナを基準にすることで客観的な判断を行うことができ、顧客の求めるサービスや製品を提供することに繋がります。

まとめ

今回はペルソナについて詳しくみてきました。マーケティングを行う上で顧客の気持ちをきちんと理解し把握することは不可欠です。ペルソナには、架空の顧客像を設定しあえてターゲットを「絞り込む」ことで、顧客に響くアプローチを行うことができるというメリットがあるのですね。価値観の多様化が進み、顧客のニーズも煩雑化している現代において、実際のデータを反映して作成したペルソナはマーケティングに大いに役立つものになると言えるでしょう。