カスタマージャーニーはマーケティングをしていくにあたって重要な施策です。顧客とサービスとの接点を明確にする事により、現在の取るべき施策を明確化する事ができます。
そこで今回はマーケティングで重要な、「カスタマージャーニーとは何のこと」、「カスタマージャーニーマップの作成方法」をご紹介していきます。
目次
カスタマージャーニーとは?
まず、カスタマージャーニーとはどういう意味なのかということを解説していきます。簡単に説明すると、ペルソナ(マーケティングにおける架空のユーザー像、人物モデル)の動きを見えるようにしたもので、直訳すると「顧客の旅」という意味です。数十年前までは、主なメディアがテレビや新聞、雑誌しかなかったため、ペルソナを設定し、ポイントとなる部分を考えるだけでよかったかもしれません。
ですが、近年では顧客、消費者、ユーザーは複数の情報網から情報収集や購買を行なっているため、顧客の行動を細かく把握する事が難しくなってきています。
その一方で、技術の進歩により取得、分析できる情報の質と量は増し、顧客の行動を分析する事ができるようになっています。近年では、ツールやアドテクノロジーの進化により、複数のチャンネルから顧客に対して、マーケティング施策を行う事ができるようになりました。
カスタマージャーニーの作成方法と準備
実際にカスタマージャーニーはどうやって作っていけばいいのか、準備から作成方法まで解説していきます。
マップを作る前に準備しておくこと
・目的を明らかにする
カスタマージャーニーマップを作成する前に明確な目的を設定しておきます。カスタマージャーニーマップを作る目的を明確にしておくことで、切り口や盛り込んでいく内容がしっかりとまとまっていきます。
・ペルソナ設定
カスタマージャーニーマップを作る前にペルソナを明確にしておく必要があります。ペルソナを明確にしておくことで、商品やサービスの企画から販売まで一貫したマーケティング戦略を練る事ができるからです。
ペルソナの行動や心理を探るために、レビューやアクセス分析などで情報収集や分析を行うこともあります。
マップの作成方法
準備ができたら、カスタマージャーニーマップの作成に取り掛かりましょう。
・カスタマージャーニー項目の設定
最初に、カスタマージャーニーマップの項目を設定していきます。
下記の項目は重要な部分なので押さえておきましょう。
項目 | 説明 |
ペルソナ | 準備段階で用意しておいたペルソナのことを指します。 |
フェーズ | ペルソナの行動を分ける軸を表します。 |
タッチポイント/チャンネル | ユーザーとサービスの接点となる部分を指します。 |
顧客の行動 | ユーザーが取り得る行動をあげ、書き出す。 |
顧客の感情や思い | ユーザーがその時に持った感情などを指します。 |
・フェーズ
準備段階でペルソナは設定してあるのでフェーズを決めていきます。
フェーズとは、過程であり、ペルソナの思考や行動をステージ別に分けていく事です。
ここでは、商品を販売することを目的としたフェーズの設定例をご紹介します。
【認知 → 興味関心 → 比較検討 → 購入】
商品を販売する時は、このように分ける事が多いですが、ペルソナによってアレンジを加えてあげることもできます。
・タッチポイント、チャンネル
タッチポイントとは、顧客と商品やサービスとの接点を指し、チャンネルとは、点を実現したメディアを指します。顧客との接点を明らかにしておくことは、ユーザーの思いや行動を考える上で重要なポイントになってきます。
書き出す際には、「今後こういう接点を持ちたい」という理想と、「今現在はこういう接点になっている」という現状をわけることが重要です。
・顧客の行動
続いては、顧客の行動を洗い出し、書き込んでいきます。箇条書きでも文章で書き出しても大丈夫です。詳しく記載していくことが重要になってきます。
また、顧客の行動はタッチポイント(接点)に関する行動だけではないことを押さえておきましょう。
例えば「商品をネットで購入」というタッチポイントの前に「友達に相談」という行動があるかもしれません。タッチポイントの周辺行動まで深掘りしてあげることが重要です。
・顧客の感情や思い
続いては、顧客の感情や思考を洗い出していきます。感情は、嬉しい、楽しい、悲しい、不安などの心の動きで、思考は、迷い、信頼、疑問といった顧客の考えです。ポジティブな感情だけではなく、ネガティブ感情も書くようにします。ネガティブな感情も書き出すことで、ユーザの不満などを探ることができ、改善のヒントになる事があるからです。
今回は、主に活用する感情や思考という例で挙げましたが、問題点や改善点として記載することもあります。
カスタマーエクスペリエンスとの違いはどこ?
カスタマーエクスペリエンスとは、製品やサービスを利用してユーザが得た経験や体験を生かし、利用者にとって商品やサービスがよりよくなるよう改善することを目的とする事です。
それではカスタマージャーニーとカスタマーエクスペリエンスとの違いはどこかを説明していきます。
カスタマーエクスペリエンス
顧客を意味する言葉。顧客が企業の商品やサービスを購入、利用した時に感じた、様々な顧客体験のことを指します。
カスタマージャーニー
ユーザーが商品やサービスを購入、利用するまでのプロセス(過程)を可視化したものを指します。
このように「体験に基づいたもの」か「プロセスを可視化したもの」かというところが大きな違いになります。違いといっても、カスタマージャーニーマップによってあげられた顧客の接点がカスタマーエクスペリエンスの積み重ねにより、顧客の満足度に繋がるので、カスタマーエクスペリエンスの集合がカスタマージャーニーとなります。
まとめ
いかがでしたか?今回はマーケティングで大事になってくる、「カスタマージャーニー」とは何のことか、カスタマジャーニーの作り方についてご紹介しました。
カスタマージャーニーマップをうまく利用すると顧客の思いや行動を把握でき、明確で的確な施策を打つ事ができます。
また、流行りのコンテンツマーケティングにも応用が効くので作り方を覚えておくと武器として役立ちます。近年では、カスタマージャーニーを作成する便利なツールなどもあるのでよろしければ活用してみてください。